昇段級試験の課題の発表と書体(しょたい)のおはなし
2018/05/26
いよいよ昇段級試験の季節が近づいてきました!
今回先週お届けした書作6月号に、今年の昇級昇段試験の課題が発表されました。
ジュニア版では、幼稚園・小学1年生は「しお」、2年生は「ふりかけ」、3年生「おべん当」・・・なんとも美味しそうな題ですね。
テーマは、「お料理」でしょうか?
小学生は楷書、中学生からは、楷書、行書など書体は自由です。
今回は、書体のお話を少し。
書体という文字の書き方、様式は、「篆書(てんしょ)」「隷書(れいしょ)楷書(かいしょ)行書(ぎょうしょ)草書(そうしょ)と五体が基本です。
ここで問題!
Q: 皆さんは、どの書体が一番新しいと思いますか?
A: 楷書(かいしょ)現代一番多く目にする楷書が、実は一番新しくできた書体なのです。
中国の漢の時代の標準の書体は隷書でした。それが速書きされて行書になりました。
その後に楷書ができて、唐の時代の標準書体になりました。
632年(7世紀)欧陽詢(おうようじゅん)が書いた「九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんのめい)」は、書道の教科書では、「楷書の極則(ごくそく)」として必ず紹介されています。
清雅堂発行「九成宮醴泉銘」より抜粋
行書(ぎょうしょ)の代表的なものは、書聖と呼ばれている王羲之(おうぎし)の作品があります。
上の「九成宮醴泉銘」より3世紀も前に書かれたものです
中国・東晋(とうしん)(4世紀)王羲之の尺牘(せきとく)(手紙)
「喪乱帖(そうらんじょう)」
雄山閣発行 書道基本名品集8行書編より抜粋
小学生の書体は楷書(かいしょ)ですが、中学生は、書体が自由です。
書道の歴史も学びながら、行書(ぎょうしょ)にチャレンジして書く力の幅を広げてほしいと願っています。
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